ノーシープフォンでのアプリのインストール

通常のスマフォでのアプリストア

通常のスマフォでは、アプリのインストールはそれぞれのオフィシャルなアプリストアから行います。iPhoneではApp Store、AndroidではPlay Storeです。もちろんですが、iPhone/Androidでは、スマフォを持つだけであらゆる行動が監視されており、これらのアプリストアを使うことで、どのアプリをインストールしたかも監視されてしまいます。

 

ノーシープフォンでのアプリストア

ノーシープフォンは、AOSP(Android Open Souce Project)つまり、AndroidをベースとしたカスタムROMを搭載していますが、スマフォを持っただけでは、一切の監視はありません。監視される可能性があるのは、その上でどんなことをしたかによります。スマフォに何らかのアプリをインストールしてそれを使うわけですが、どんなアプリをどのように使うかによるわけです。

アプリは通常、apkファイルという形で配布されます。様々なアプリについて、これをいちいち取得してインストールしていくのは、一般の方には非現実的です。

※この目的のためのサイトとして、apkpure.comがありますが、面倒なのでおすすめできません。

一般には、「アプリストア」というアプリを使い、そこで欲しいアプリを検索し、そこからインストールします。

ノーシープフォンでのアプリストアとしては、まずF-Droidがあります。ここにあるアプリは、オープンソース(設計図公開)のもので、おかしなことは一切していないと言えるものです。

しかし、F-Droidには、企業がそのサービスのために公開しているアプリ(プロプライエタリ・アプリ)はありません。これらも含むてほぼすべてのアプリを網羅するのは、GoogleのPlay Storeですが、Play Storeは使いたくないのです。

そこで使うべきは、Play StoreのフロントエンドであるAurora Storeです。

 

Aurora StoreへのGoogleによる嫌がらせ

Aurora Storeでは、これまで、匿名でどんなアプリでもインストールすることができました。つまり、Play Storeにあるアプリであれば、匿名で何でも検索でき、匿名で何でもインストールできたのです。

Aurora Storeの仕組みとしては、Aurora Store側があらかじめ用意しているGoogleアカウントを世界中のユーザが使いまわすことによって、ユーザの方は匿名でアプリをインストールできていました。Play Storeにあるアプリは何でもです。これにより、Google側は、誰がどのアプリをインストールしたかを知るすべがありませんでした。

しかし、2023年5月頃からこれができなくなりました。間違いなく、Google側による嫌がらせと考えられます。Googleは、世界中の人間が作った無数のアプリをそのサーバに集めていますが、誰がどのアプリをインストールしたかをつきとめたいわけです。

※これは、Googleによるマーケティング目的と、監視目的の二つがあります。

そのためには、Aurora Storeのような匿名でのアプリのインストールを阻止したいのです。

※Uptodownのような匿名のアプリストアもありますが、ここにはPlay Storeにあるすべてのアプリを網羅してはいないようです。

Aurora StoreへのGoogleアカウントログイン

この直接的な解決策としては、Aurora Storeに自分のGoogleアカウントでログインしてしまうことです。Auroraストア側が用意している「匿名」アカウントでは、現在(2023/5)のところ全く何もできなくなっていますが、ごく普通のGoogleアカウントならば、検索もインストールも可能です。

「しかし、そんなことをすれば、Google側にいろんな情報を持って行かれるのでは?」と危ぶむ声もありそうですが、実際に取得されるのは以下のみです。

  • あなたが使っている機種(GrapheneOSの場合はPixel)
  • あなたの現在のIPアドレス
  • インストールしたアプリ

それ以外の情報について、Google側は取得しようがありません。つまり、スマフォの固有番号、SIM固有番号、あなたの位置、その他もろもろの情報は取得できません。

※ただし、Googleアカウントには電話番号が結びついているので、取得されてしまいます。

 

Play StoreへのGoogleログインは?

であれば、「Play StoreにGoogleログインしてしまって、そこから普通にアプリをインストールすれば良いのでは」と思うかもしれません。例えば、GrapheneOSにGoogle機能をインストールしてしまった場合でも、サンドボックス機能により、Google側は勝手に情報を取得できないからです。

しかし、これはおすすめできません。その理由としては、Googleアカウントが、すべてのGoogleアプリの間で共有されるからです。

つまり、Play Storeにログインすると、自動でGoogle Mapにもログインしてしまい。Google Mapを匿名で使うことができなくなります。つまり、Google Mapを使うあいだ、あなたの位置がGoogle側に知られてしまいます。通常は、Organic Maps等のオープンソース地図アプリを使うべきですが、Google Mapは非常に便利なので、使いたい場合もあります。

そのほか、Google製のアプリ、例えば、Gmailアプリにも自動ログインしてしまいます。

※もちろん、GMailアプリの利用はおすすめできません。まだGmailが必要な場合は、ブラウザで利用すべきです。

 

新たな、監視されないGoogleアカウントを作るには?

上に述べたのは、あなたが既に持っているGoogleアカウントをログインに使った場合です。

もし、これまでGoogleアカウントで様々なことをしてきた場合、Google側にその記録があります。特にごく普通のAndroidユーザだった場合、あなたの住所や職場の位置までGoogleは知っていることでしょう。

このGoogleアカウントをアプリインストール時に使えば、Google側はその記録に、上に述べたアプリインストール記録を追加します。

しかし、Googleアカウントが全く別のものであれば、つまり、あなたとは「別人物」のものであれば、Google側は過去の履歴と現在の「アプリインストール履歴」とを結びつけられなくなります。これについて考察してみます。

新たなGoogleアカウントには電話番号が必要

以前は不要でしたが、現在はGoogleアカウントの新規作成時には、必ず電話番号が要求されます。彼らは、「セキュリティのため、二段階認証のため」と言い訳をしますが、当然ながら、全員を識別するために電話番号が欲しいのです。

※二段階認証の仕組みですが、単純にアカウント名(この場合はGmailのメールアドレス)とパスワードだけではログインできず、指定された電話番号にショートメールとして「確認コード」なるものを送ってきます。この確認コードも入力しないとログインができません。

以下は確認コードの例です。

別の電話番号を用意する

当然ですが、これまで使ってきたGoogleアカウントには、現在の電話番号が結びついています。したがって、新たなGoogleアカウントには、新たな電話番号が必要になります。これは、他人の電話番号でも良いし、自分で新たに取得しても良いでしょう。以下はあくまで案です。何がベストかは、未だ検討中です。

世の中には、電話番号を持っていない人もいますね。そういう人は、他の人が使っている電話番号を借りてしまいましょう。友人・知人・家族の電話番号を借りてGoogleのアカウントを新たに登録します。ただし、ログイン時には、上の確認コードがそこに送られてきますから、すぐにそれを確認できることが必要です。この場合、電話番号の持ち主の関係者と、Google側は推測するでしょうが、それ以上の情報はとれません。

他の方法としては、電話番号を変更してしまうことです。その上で新たなGoogleアカウントを作成するわけですが、しかし、電話番号を変更してしまうと、以前のGoogleアカウントにはログインできなくなってしまいます。この方法は、Gmailをまだ使っているとか、YouTubeチャンネルを持っている等の人には使えません。

もう一つとしては、新たに電話番号を契約してしまうことです。様々な安いサービスがあると思いますが、例えば、mineoの「まいそくスーパーライト」は、月間250円で電話番号が持てます。これを使っていないスマフォ(仮に普通のAndroidだとします)に設定しておきます。Googleログインの時にだけ電源を入れて、確認コードを見るだけです。もちろん、このスマフォは一切ネットワークには接続しません。要するにガラケー状態です。普通のAndroidの場合、ネット接続するとその途端にGoogleに位置を知られてしまうことでしょう。

上のいずれの場合も、Google側は電話契約者の情報を携帯電話会社から取得はできないと思われます。それができるのは、警察ぐらいです。

 

理想的なこと

こうやって見ていくと、理想とすべきことがいくつかわかってきます。

完全に匿名で簡単にすべてのアプリをインストールできるアプリストア

まずは、このようなアプリストアの出現が望まれます。

Googleのサービスを一切使わない

Gmailでやりとりしていたり、YouTubeにアカウントがある場合には、それらを徐々に不要なものにしていくことです。最終的には、Googleアカウントを持っていても、そこには何もない状態にしていくのが理想です。

今の電話番号を捨てる

様々なところに自分の電話番号を伝えていますが、今現在の電話番号がなくなった場合に困ることを書き出しておくべきでしょう。そして、番号を変更した場合にどう対処するかです。