Google無しの極めて実用的な地図アプリ「GMaps WV」

地図アプリの問題

出荷時のノーシープフォンには、「Google機能」は含まれていません。このため、Google Mapのようなアプリをインストールしても正常に動作しません。この対処法としては、次の二つが考えられます。

  • 1. Google機能の無いまま、他の地図アプリを利用する
  • 2. Google機能をインストールしてしまい、Google Mapを使う

1としては、Organic Maps等のボランティアが作成している地図をもとにしたアプリの利用があります。これでももちろん、地図としての用を足しますが、しかし、商業的に行われ、巨大な情報が集約されているGoogle Mapには到底かなわないものです。

2の方法を取る場合に、特にGoogle IDでログインしてしまうと、Google Mapの利用中は、そのGoogle IDの位置がGoogle側に把握されてしまいます。Google Mapにログインしていなくとも、別のGoogle製のアプリ、例えばGmailアプリを使う場合は必ずログインが必要ですが、Gmailにログインすると、自動的にGoogle Mapもログインされてしまうことになるので注意が必要です。

GMaps WVというアプリは、1の環境(Google機能をインストールしない環境)のまま、Google Map用の地図(ウェブ版)を匿名で利用し、ほぼGoogle Mapの機能を完全に使えるものです。

つまり、こういうことです。

  • 「Google機能」は一切不要で、Googleの監視は一切無し
  • Google Mapの機能が使える

おそらくGoogle側には、「誰かがこの場所にいる」ことはわかるでしょうけれども、それを「私」と特定することはできません。

ただし、ナビゲーション機能は一切使えないようです。人間のナビゲータ無しでは車の運転にはおそらく使えないでしょう。

 

特徴とデメリット

先のGMaps WVの開発ページには次の説明があります(2024/2時点)

  • (アプリの)終了時に個人データを消去
    ※アプリが終了すると、プライバシーデータはすべて消去されるという意味でしょう。
  • Googleトラッカーやその他のサードパーティリソースへのアクセスをブロックする
    ※Googleは、常に何とかしてプライバシー情報を取得しようとしますが、これをブロックするようです。
  • すべてのネットワークリクエストをHTTPSに制限
    ※ネットワークを盗聴する者がいても、すべて暗号化されているため、読めないということですね。
  • 位置情報許可の切り替えが可能
    ※これは「設定」以外のどこで行うのかわかりませんでした。

デメリットとしては以下があります。

  • ナビゲーションは利用できず、ターンバイターンの方向リストのみ
  • WebViewの制限により、WebRTCはブロックされない
    ※これが問題になることがあるとは思えません。
  • キャッシュはリソース/データ考慮のためクリアされないが、他のデータ(クッキー)なしでトラッキングが可能になるかもしれない
    ※Googleが普通ではない方法で監視してくる可能性はあるかもということらしいですが、何にしても、それが「私」とはわからないはずです。
  • 必要に応じてアプリのキャッシュを手動でクリアしてほしい、将来的には対処の予定

 

インストールと起動

F-DroidでGmaps WVを検索します。

インストールします。

NetworkアクセスはONにしとかないと動きません。

起動したら、まず現在位置を表示させてみます。

このアプリに位置取得の許可を与えないといけません。

アプリの使用中(前面に表示されているとき)は、現在位置取得を許可します。

これでインストールと設定は官僚です。

使い方

基本的には、周辺の地図が表示できて、自分の現在位置がわかるものですが、Googleの膨大なデータベースから場所を検索できます。たとえば、「東京駅」と入力してみると、東京駅が示されます。

「ルート・乗り換え」ボタンをタップすると、目的地までのルートが表示されます。

しかし、「アプリでナビ開始」は何の応答もしません。「プレビュー」を開くと、道順は表示されるようです。

※もしかしたら、Google Mapアプリを入れておくと、それが起動するのかと思いましたが、何の反応もしないようです。