ノーシープフォンのできるまで

ここでは、ノーシープフォンが作られるまでにどのような過程をたどっているかを説明します。

Google/Appleのプライバシー侵害を知る

これがまず第一です。連中は全世界のあらゆる人間のプライバシーを勝手に取得し、特にGoogleはこの情報を使い、検索結果を捻じ曲げたり、反ワクチン派のマップを作ったりしているのが事実です。令状の必要な警察をはるかに上回る行為を、ユーザに知られることもなく勝手に行っています。

簡単便利という名のもとに売っていますが、自身の陰湿なストーキング行為については、ほっかむりを決め込んでいます。

スマフォは使いたいが、連中にはNOを

スマフォは確かに便利なものですが、連中のストーキング行為にはNOをつきつけねばなりません。しかし、初めからスマフォのすべてを作り上げるのは、そこそこの会社でも困難でしょう。そこで、世の「カスタムROM」作成者が目に付けたのは、AOSP(Android Open Source Project)というものです。

※スマフォに最初から入っている基本ソフト(OS)を「ストックROM」、これを削除して置き換えるOSを「カスタムROM」と総称します。「カスタムROM」=「監視の無いOS」と読み替えても大丈夫です。

AOSPはオープンソース(設計図公開)であり、そこに秘密の機能を入れ込むのは実質的に不可能です。例えば、ユーザのプライバシーを送信するといった機能は入れられません。このAOSPをもとに、様々な人達が様々なカスタムROMを作成して、それをスマフォの機械に入れています。

※知っている人には以下の説明で十分かと思いますが、これはちょうど、WindowsとLinuxの関係に似ています。Windows入りで販売されているパソコンに、後からLinuxを入れてしまうと、それはLinuxパソコンとして使えます。現在のWindowsもまた、マイクロソフトによるスパイ機能が満載なので、これをやめてLinuxパソコンに移行するのが得策です。ただし、Androidの場合とは異なり、LinuxではWindows用のソフトは一切動かないので、そこは覚悟する必要があります。

AOSPをベースとしたカスタムROM

このように、AOSPをベースとした監視の無いAndroidが、カスタムROMと言われるものです。AOSP自体がオープンソースで、カスタムROMが追加するものもオープンソースなので、結局すべての設計図が公開されています。そこでもし「勝手な真似」をすると、最終的には発覚してしまいますから、まずそんなとはないと考えて良いでしょう。

これを、既存の、いわゆるAndroid機と呼ばれるスマフォに入れて使うわけです。

さて、このカスタムROMには、様々な種類があります。主な違いとしては以下です。

どの機種に対応しているか

Androidの場合には、様々なメーカーが様々な機種を発売していますが、それぞれ中身が異なります。各機種への対応状況は、各種のカスタムROMにより異なります。

機種によっては「OEMロック」がはずれないものがあります。これをはずさないとカスタムROMのインストールはできません。つまり、他OSのインストールをメーカー側が拒否しているのです。この場合には、カスタムROMのインストールはできません。

カスタムROMの自動更新機能があるか

いったんカスタムROMをインストールして使い始めても、機能改善したとか、致命的なバグに対応したなど、常に更新があるものです。特に後者の場合には、カスタムROM自体を更新しないと、トラブルに巻き込まれかねません。ユーザ側が面倒な操作をしなくても、最新のカスタムROMに更新していてほしいものです。

これは、通常のAndroidやWindowsでは当たり前の機能なのですが、カスタムROMの世界ではまだ標準にはなっておらず、更新するには、再度インストールが必要な場合が多々あります。

Google機能の実現があるか

Androidアプリの中には、「Googleを必要とする」アプリもあります。例えば、地図を表示して、何らかの場所を示すようなアプリの場合、そのアプリはGoogle Map APIというものを利用しますが、これはAOSPには含まれてはいません。したがって、単純なAOSPベースのカスタムROMでは、このアプリは実行できません。

この場合の選択肢としては、以下です。

  • Googleを必要とするアプリの実行をすべて諦める(ユーザは非常に不便)
  • 何らかの形でGoogleそのものの機能を入れ込む(GrapheneOSやmicroGの方法)
  • 何とかしてGoogleと同等のAPIを自力で提供する(途方も無い労力が必要。実質上無理)

当然のことながら、本来は完全にGoogle無しが望ましいのですが、それでは極端に不便になってしまいます。GrapheneOSやmicroGでは、極力Googleにプライバシーを渡さないようにしつつ、GoogleのAPIを使う方策をとっています。

実際の機種とカスタムROMの選択

スマフォの場合

スマフォの場合には、Google Pixelという機種とGrapheneOSの組み合わせがベストです。これについては、GrapheneOS開発者インタビュー抄訳をお読みください。

上で開発者も言っていますが、Google Pixelのセキュリティは他機種とは一線を画しているようです。ただし、価格は比較的高価です。

より低価格の機種、例えば、Motorola Moto G7 plusのように中古が8,000円程度のものには、LineageOS for microG等をインストールすることになります。

GrapheneOSはPixelシリーズにしか対応していないからです。

※ドイツのNitroPhoneもGrapheneOSを搭載していますが、これはこの会社が独自に搭載したもののようです。そして、この機種はむしろPixelよりも高価です

タブレットの場合

※2023/6/21追記:Google Pixel Tabletが6/20に発売されました。現時点で、GrapheneOSは鋭意製作中とのことです。

現状を見回してみると、そこそこ使えそうなタブレットとしては、Samsung Galaxy Tabシリーズぐらいしかありません。世にはタブレットの機種があまたあると思いますが、カスタムROMが対応するものは、極端に少なくなります。

例えば、AmazonのKindle HD Fireという非常に安価なタブレットがあり、以前はカスタムROMがインストールできたのですが、現在のものは、AmazonがOEMロックをはずせないようにしてしまい、カスタムROMのインストールが不可能になってしまいました。

 

カスタムROMのインストールと文鎮化の危険性

カスタムROMのインストールは危険を伴います。これを文鎮化(英語ではBrick)と言うのですが、インストール途中でにっちもさっちもいかなくなってしまい、「文鎮にする以外に使い道がなくなった」状態のスマフォのことを指します。

※誤解してる人がいるんですが、インストール成功後にスマフォを普通に使う場合、そこに文鎮化の危険はありません。

また、カスタムROMをインストールする以前に「OEMロック」をはずしてやる必要があるのですが、簡単にはずせるもの、少々面倒なもの、絶対にはずせないものなどがあります。

Google Pixel + GrapheneOS

PixelのOEMロック解除は簡単です。

GrapheneOSは、数あるカスタムROMの中でも比較的インストールが楽な方かと思いますが、それでも、インストール中にエラーが出たり、フリーズしてしまったり、うっかり残っているストックROMを起動したら、その起動中にもフリーズしてしまい、電源OFFできなくなる現象が発生したことがあります。

にっちもさっちもいなかくなったんですが、結局電源ボタンを30秒押してOFFにした後、再度ブートローダを起動し、何度か試すうちに成功しました。これはかなりマレなケースですが、発生することもあります。

Motorola Moto G7 Plus/Power + LineageOS

Motorolaの場合、OEMロックをはずすには、Motorolaのウェブサイトで機種固有番号と共に解除申請をする必要があります。すると、解除コードがメールで送られてきます。

その後、LineageOSをこの機種にインストールするわけですが、LineageOS自体のインストール手順説明が間違っていることもあいまって、少々ややこしいですね。

Samsung Galaxy Tab S5e + /e/OS

これについては本当にややこしいです。Samsungによる他OSのインストール用ソフトがあり、それを必要とするのですが、「わざと面倒にしているのか」と思う位です。

この機種では、カスタムROMのインストール途中でにっちもさっちもいかなくなってしまい、あわや「文鎮化か?」と焦りましたが、ストックROMをインストールし直し、その後で再度カスタムROMをインストールすることで事なきをえました。

できればあまりやりたくない機種です。かといって、他にめぼしいタブレットがありません。

※2023/6/20にGoogle Pixel Tabletが発売されました。

その他の機種

先述しましたが、現在のAmazon Kindle Fire HDというタブレットではOEMロックがはずせません。Huaweiも同様に解除できないようです。これを「解除するよ」という商売もあるようですが、本当に解除できるのか試していません。

また、OEMロックがはずせる機種で、例えばLineageOSが提供されているものであっても、インストール以前にインストール物の「ビルド」を行わねばならない機種があります。この場合、単にダウンロードしてインストールすれば良いというわけには行きません。開発環境を揃え、ソースコードをダウンロードし、コンパイルをしてインストール物を生成することになります。動くのでしょうけれども、やってはいられません。

ノーシープフォンのお届け

このようにして、様々な条件を加味して機種とカスタムROMを選択し、インストール後にお届けになります。

おおよそ、スマフォの場合は、Pixel + GrapheneOSになるでしょう。タブレットの場合は、Samsung Galaxy Tab + LineageOS for microGあるいは/e/OSというところです(あまりやりたくないですが)。

Pixel + GrapheneOSの場合、以下の特徴があります。

  • Pixelのハードウェアによる強固なセキュリティ
  • Sandboxed Google Playによって、完全なGoogle機能を提供しながらも、Googleへのプライバシー送信を遮断。あらゆるAndroid用アプリが動作すると思われる。
  • OS自体の自動更新。GrapheneOS側がアップデートすれば、自動でダウンロードされ、ユーザはスマフォを再起動するだけ。

リリースノートでは、ある程度、これらの製品の使い方を説明しています。また、Q&A掲示板にて質問と回答など、ディスカッションができるようにしていきます。