スマフォの世界では、Apple/Googleの後塵を拝してしまったマイクロソフトですが、パソコンの世界ではまだまだ強者です。そして、Windowsのバージョンが上がるごとに、スマフォの監視システムに遅れまじと様々な仕掛けが行われています。
特に、最新のWindows(11)を使う際には、マイクロソフトアカウントが必須と思わせるセットアップ画面になっています。実際には、アカウントなどなくとも使用できます。また、マイクロソフトがデフォルトで設定しているスパイ行為は回避すべきです。以下をご覧ください。
MacにはiPhone/iPadと同様の監視体制が組み込まれています。これらは、ハードウェアもソフトウェアもAppleによるものであり、彼らにはいかなることも可能です。
Linuxという選択肢
そこで、パソコン用OSとして候補に上がるのがLinuxです。Linuxと言っても様々な種類のものがあり、サーバ向けに特化したもの、デスクトップやノートパソコンに特化したものがあります。ごく普通のユーザにおすすめできるのは、Linux Mintというディストリビューションです。
あえてLinuxを選択する場合には、特に悪い点を十分に理解するようにしてください。
良い点
- すべてがオープンソース(設計図公開)であるため、一切の監視・スパイが無い。
- 以前のLinux、サーバ向けのLinuxとは異なり、特にLinut Mintの画面操作感はかなりWindowsに近いものになっているため、初めてでもとっつきやすい。
- スマフォ用OSとは異なり、ほとんど、どんなWindows用パソコン(Windows搭載で出荷されているパソコン)にもインストールができる。
悪い点
- Mac/Windows用のアプリは一切動作しない。Linux用のアプリを用意する必要がある。スマフォにおいて、AndroidをGrapheneOSに持ち替える場合には、Android用アプリがほぼそのまま動作しますが、Linuxではそうは行きません。
- まだまだ不安定な面がある。何が関係するのか不明だが、デスクトップ上のアイコンが見えなくなってしまったり、いきなりフリーズしてしまうことがある(経験としては、毎日四六時中使用して、週に一度程度)。
- 特殊なハードウェア、例えばタッチパネル等はサポートできない可能性がある。その場合、単純に動作しない(やってみないとわからない点が多々あります)。
- Bluetoothなど外部デバイスの接続が自動的にはできず、専門的知識が必要になることがある(経験としては、Bluetoothスピーカー等)。
- Windowsとの共存が難しい。以前のWindowsでは、Windows/Linuxのデュアルブートが簡単にでき、ある時はWindows、ある時はLinuxとして使うことができたが、最近のWindowsでは、Windowsが更新されると、システムが破壊されてしまい、両方ともに起動しなくなる可能性があるため。
Linuxへの移行を考える
Linuxへの移行を考えた場合に、最も重要な点は、最初の悪い点「Mac/Windows用のアプリは一切動作しない。Linux用のアプリを用意する必要がある」という点でしょう。以下を確認する必要があります。
- Mac/Windowsでしか動作せず、Linuxでは動作しないが、自分には絶対に必要なアプリがどの程度あるのか。
- Mac/Windows/Linuxで共通に動作するアプリにあらかじめ移行できないか。
例えば、Adobeの描画ソフトのイラストレータという、この種の作業をするプロフェッショナルの標準となっている製品がありますが、これはLinuxでは動作しません。しかし、Windows/Linuxのどちらでも動作するオープンソースとして、Inkscapeという描画ソフトがあります。もちろん、Adobe製品に比較すると、大きく機能は落ちますが、プロでも無い限りこれで十分なケースが多々あります。
あるいは、Thunderbirdというメールソフトも、やはりWindows/Linuxの両者で動作しますし、ブラウザもChrome, Brave, Firefoxなどなど、Windows上でおなじみのソフトは、Linuxでも動作します。
Mac/Windows専用のソフトを使っている場合、まず始めにはその環境のまま「Linux上でも動作するソフト」に切り替えられないかを考えてみることが必要です。
最終的にLinuxに移行しなかったとしても、これらのオープンソースソフトに移行することで、これらのオープンソースをサポートし、育てることになります。ユーザとしてあなたが加わることで、他の人にも波及していくからです。
ただし、どうしてもMac/Windowsでしか使えないソフトがある場合は、それらも残しておくことを考慮しなければなりません。つまり、Linuxパソコンとは別に、Mac/Windowsパソコンが必要になります。
どの種類のパソコンに入れられるのか?料金は?
あまりにも古い機種でなければ、おおよそどんな機種(Windowsが入っていた機種)であればOKです。Macには対応できません。
※液晶タッチパネル等の特殊なハードウェアは動作しない可能性があるので注意してください。
当法人のサービス料金としては、30,000円となります。以下が含まれます。
- パソコンの選定と購入(オプション、別途料金)
- Linux Mintのインストール
- リリースノートによるおおまかなガイド
- Q&A掲示板アカウントの提供
※講演会参加者割引、二代目以降割引があります。利益は当法人の活動費用となります。
Mac/Windows/Linuxで共通に使用できるオープンソースソフトの例
以下は、Mac/Windows/Linuxで共通に利用できるソフトの例です。
- Thunderbird:定番のメールクライアント
- Inkscape:Adobeイラストレータのようなドロー系描画ツール
- gimp:Adobeフォトショップのようなペイント系描画ツール
- Kdenlive:動画編集ソフト
- Audacity:音声編集ソフト
- ブラウザ:Chrome, Brave, Vivaldi, Firefox, Opera, Edge, その他
- オフィスソフト:MSOfficeを使う必要はありません。LinuxではLibreOfficeが定番ですが、これは使いにくいです。個人的には、FreeOffice(メール登録必要)をおすすめします。