IceDriveに引き続き、pCloudを使ってみます。結論から言えば、このクラウドストレージは、要件を満たしていません。つまり、スマフォ内にあるファイルをバックアップする用途には全く使えません。
しかし、一通り使い方を説明します。
インストールと登録
例によってAurora Storeからインストールします。
起動します。
メアドと好きなパスワードを入力します。Data Regionでは、データが格納されるサーバを指定できるようで、米国か欧州のいずれかです。チェックONにしてCreate Accountです。
この後で確認メールが来るはずなので、来ていたら、その中のボタンをクリックします。アプリの方は、なぜか以下の画面になりますが、前画面に戻れば問題ありません。
これもまた「通知させろ」ということなのでしょう。キャンセルで良いです。
以下については後で解説します。今はキャンセル。
このような余計なガイドが表示されますが、タップすれば消えます。こういうことをしても決して使いやすくはならないのですが、どうしてもやりたいようです。
以下のような画面にたどりつきます。
pCloudの既存のフォルダを削除する
pCloudを起動すると、上のように勝手にMy Music, My Pictures, My Videosというフォルダが現れ、そこにいくつかのサンプルが格納されているのですが、ここがpCloudの極めて馬鹿げている点です。
例えば、My Picturesに任意の写真をアップロードできますが、それは単純なアップロードであって、同期ではありません。つまり、これらのフォルダや、そこにアップロードされたファイルというのは、スマフォ内には存在しておらず、pCloudの中にしかないのです。
その一方で、これらのフォルダを「オフラインで使用する」指定をすれば、スマフォ内にダウンロードされ、ネット非接続の場合でもファイルにアクセスできるようです。
しかし、このファイルがスマフォ内のどこに存在するのか、ヘルプを見ても記述がありません。つまり、「オフライン」にしてこれらのファイルをスマフォにダウンロードしても、それを見るには必ずpCloudアプリを起動しなければならないのです。Androidのファイルマネージャアプリは使用できず、他のアプリがそのファイルにアクセスすることもできないのです。これではお話になりません。
これらは不要なのですべて削除します。かえって混乱のもとになります。
※ただし、削除機能にバグがあるようで、実際には削除されているのに、フォルダが表示されたままの場合があります。そこでもう一度消そうとすると「消せない」というエラーになったりします。このアプリを一度終了して、再度起動すると、完全に消えた状態になります。
そもそも、私は手元のマシン(スマフォ、パソコン)のファイルをクラウドストレージに同期してバックアップしたい、あるいは他者と共有したいのです。これが、そもそものクラウドストレージの役目のはず。pCloud上の余計なフォルダは不要です。
pCloudと手元のフォルダを同期する方法が存在しない
さて、このまっさらな状態から、手元のフォルダ(つまり、スマフォ内に既にあるフォルダ)を同期させたいのですが、そういった機能は無いようです。
右下の+からメニューを出してみると、次の機能のみです。
- 写真撮影してそれを直接pCloudにアップロードする
- 新たなフォルダをpCloudに作成する
- 手元のファイルを一つ一つpCloudにアップロード
つまり、手元(スマフォ、パソコン)に既にあるフォルダを無視し、どうしてもpCloud上で管理させたいようです。
pCloudにて、自分の画像・動画をバックアップする唯一の方法
スマフォ内の任意のフォルダの同期指定ができない上のような仕様の一方で、「写真と動画」の同期を行う設定があります。
トップ画面の左上からメニューを出し、設定をタップします。
自動アップロードをタップします。
自動アップロードをONにします。写真だけをアップロードするなどのオプションがあります。
すると、Auto Uploadというフォルダができており、それをタップすると機種名が表示されます。
この中身を見てみると、最終的には自分の写真が入っているのですが、見えるようになるまでには、かなりの時間がかかります。
何かしら、「すべてをアップロードし終わらないと何も見えない」という仕様のようです。
まとめ
正直なところ、このサービスでユーザを集められるのか、他人事ながら心配になってしまいます。他のクラウドストレージとは、全くコンセプトが異なるからです。
そして、自分のスマフォ内のデータをバックアップしようとしても、自身の写真・動画がバックアップされるだけで、他の文書類等をバックアップする方法は見当たりません。
pCloud自身のフォルダに格納できるとは言っても、そのファイルは、pCloud自身からしかアクセスできないのです。
さらに、試している過程でアプリがフリーズしてしまう場面がたびたび見られました。
これでは全く使い物にはならないでしょう。ゼロ知識暗号化以前の基本機能がお話にならないという印象です。