前回のSyncを使ってみるに引き続き、IceDriveを使ってみます。あくまでもこのインプレッションは以下にフォーカスしてお送りします。
- 特にスマフォで撮影した写真・動画のバックアップ
- ゼロ知識暗号化がサポートされていること
IceDriveをざっと見た場合には、次の印象です。
- Androidのストレージ内のフォルダを指定して同期できる点は非常に高評価できる
- UIに難あり。つまり、アプリ自体の動きが直感に反しており、混乱を招きかねない。
- 無料版ではゼロ知識暗号化はできない。普通のクラウドストレージとしてしか使えない
次にインストールから使用までを見てみます。
インストールとアカウント登録
例によってAurora Storeからインストールします。
起動し、Sign Upをタップします。
アカウントを作成します。メアドとパスワードを2回入力するのですが、特にパスワードは、英大文字と英数字以外の記号を入れないと受け付けてくれません。
また、いま自分が入力しているパスワードを「表示」させる仕組みが無いので(まわりに誰もいないのであれば表示させて構わないのですが)、確実に入力するためには、どこかにパスワードを書いておいて、それをコピペした方が良いでしょう。
ACCEPTをクリックします。
入力したメアドに確認番号が送られてくるので、それを入力しないといけません。
アカウント作成後は、アプリからの通知を許可しろとか言ってきますが、お好みです。私は許可しません。
カメラフォルダをIceDriveに同期させる
ログイン直後の画面としては、以下のようなものです。右下の+をタップします。
Upload Folderをタップします。
DCIM>Cameraフォルダを指定します。
このIceDriveアプリがこのフォルダにアクセスするのを許可します。
こういったダイアログが出ることがありますが、これは、携帯ネットワークで大量データ転送しても大丈夫?という意味です。Wifi接続時にはこのような警告は出ません。
IceDriveの困ったところ
この動作は、非常に誤解を招きやすいものと思います。まず、上でカメラフォルダを同期対象に指定しました。であれば、画面の状態は下のようになるはずであり、最終的には実際にそうなります。しかし、少々待たないとそうならないのです。
フォルダを指定してもしばらくは空の状態なので、「あれ?何か間違えたかな?」と混乱すること確実ですね。これが、このアプリ最大の問題です。
また、Cameraフォルダが表示され、それをタップして同期されたファイルを確認できるのですが、この表示にもバグがあるようです。いったんアプリを終了して、再度起動しないと正しく表示されませんでした。
同期の確認
例によって、アプリとは無関係なブラウザでアップロードされたことを確認してみます。icedrive.netに先のメアドとパスワードでログインすればわかります。以下はPCで確認したところです。
ゼロ知識暗号化は?
実は、IceDriveでは無料プランでは、ゼロ知識暗号化はできないようです。「それはお金払ってね」ということですね。
つまり、以下の左上ボタンで表示されるメニューにおいて
- My IceDrive:ごく普通のクラウドストレージで、サービス側が見ようと思えば見れてしまうもの
- Encrypted Storage:有料オプション。こちら側だけがパスワードを管理することで、サービス側には絶対に見れない。
ということになります。実際に、Encrypted Storageをタップすると、有料プランに誘導されます。
ブラウザのUIにも難あり
先に説明したのはアプリ側の誤解を招きかねない表示ですが、ブラウザのUIにも難があります。
前述したように、無料プランなので、Encrypted Storageは使えないのですが(タップすると、有料プランに誘導される)、ブラウザの方では、Encrypted Storageを選択できてしまい、なおかつ、いかにもEncrypted Storageにフォルダを作成するような操作ができてしまいます。
しかし、ここで実際にフォルダを作成すると、どういうわけか、My IceDriveの下のCameraフォルダの中にフォルダが作成されてしまうのです。かなり訳のわからない仕様と言わざるをえません。
まとめ
IceDriveの有料プランは、それほど高いものではありません。最低のものでも年間20ドルで、150GBもの大容量が使えますし、ゼロ知識暗号化、つまり、サービス側には一切ファイルの中身を見れないようにすることができます。Syncに比較すると転送スピードも速いようです。
しかし問題は、非直感的なUIです。アプリにしてもブラウザにしても、これを修正してもらわないと安心して人に勧められません。もちろん、つきあっていけば何でも慣れるものではありますが。
次はpCloudを試してみます。