ここでは、一般的に使われるアプリの種類についてガイドしていきます。オープンソースの完全に安全と思われるものから、危険だが使わざるを得ないと思われるアプリの使い方まで見ていきます。が、当然ですが、すべての網羅はできません。
※アプリのインストールについては、アプリストアについてをご覧ください。
アプリ選択上の基本指針
アプリ選択上の基本指針としては以下になります。
- カスタムROMと同様に、アプリにもオープンソースのものがあるので、それが使い物になるのであれば、可能な限りそちらを使う。
- やむをえない場合には、クローズドソースを使うが、ただし、以下に注意する。
- 特に位置情報・マイク・カメラの権限を取得するものには注意する。必要な権限のみをアプリの使用中のみ許可するようにする。
- ログインの要求や、特に電話番号を要求するアプリには注意する。
逆に言えば、特定されないのであれば、クローズドソースのアプリを使っても、ほとんどの場合は大丈夫です。しかし、オープンソースソフトウェアの興隆のためには、可能な限りオープンソースをお使いください。
2023/7/19:アプリの安全な使い方について記事を書きました。
以下では、いくつかのアプリについて述べます。F-Droidからダウンロードできるものについては、(F-Droid)の表示があります。
ブラウザ
出荷時のスマフォにはデフォルトのブラウザが搭載されています(GrapheneOSでは、オープンソースのChromiumをベースとしたVanadiumというブラウザです)。
この他に最低でも一つは追加のブラウザをインストールしてください。ふだん使いのブラウザと、危険なサービスにアクセスするためのブラウザを分けるためです。詳細は、監視者のクッキーを制御するをご覧ください。
- Brave
- Firefox
- Opera
- DuckDuckGo Private Browser
- Vivaldi
- Edge
この他にも、あまたのブラウザがあります。
地図アプリ
Organic Maps(F-Droid)
オープンソースの地図アプリで、そのデータも、オープンなopenstreetmapから得ています。openstreetmapは、いわば地図のWikipediaで誰でもその地図作成に協力することができます。
Organic Mapsの地図データは、日本の場合であれば都道府県ごとにあらかじめダウンロードするようになっています。場所の詳細を閲覧しようとすると、その県の地図のダウンロードが促されます。このため、外出時のネット環境が貧弱であっても十分使用できます。
さすがにGoogle Mapに比較すると機能的には遠く及びません。特に、建物やお店の名前などでの検索ができませんし、最新の道路や交通状況も反映されていません。しかし、ナビ機能などは十分に使えるものです。
OsmAnd(F-Droid)
Organic Mapsと同様にopenstreetmapの地図をベースとしたオープンソースアプリなのですが、環境のせいなのか、GPSによる位置取得がなかなかできない場合があるようです。
Google Map
Google Mapアプリの使い方をご覧ください。
交通ナビ
Yahoo!乗り換え案内
全くログイン無しで使用できる電車・バス等の乗り換え案内です。いくら使用しても、漏洩する個人情報はほぼ無いと考えられます。
動画・音楽
NewPipe(F-Droid)
YouTubeに監視されずにYouTube動画を楽しむことのできるアプリです。もちろん、Googleログインも不要です。
NewPipeでYouTube動画を見るを参照してください。
Lisna
mp3プレイヤーはあまたありますが、これがおすすめできます。単純にフォルダに入っている順番にmp3を再生してくれるだけで、シャッフルやら何やらの機能は一切ありません。それがわかりやすくて良いと思います。
メール
PC用にはThunderbirdという有名なメールクライアントがありますが、Android用のものは無いようです。ウェブメールが使いにくいという方はこちらをお使いください。–> 2023年夏の公開がアナウンスされています。
※まだGmailが必要な場合ですが、これらのメールクライアントにGoogleのアカウントを設定しても大丈夫と考えられます。他のGoogleアプリとはつながっていないからです。
Thunderbird(2023年夏予定)
2023年夏に登場とアナウンスされています。
「Thunderbird」のAndroid版が開発進行中! 2023年夏には公開される見込み
K-9 Mail(F-Droid)
おすすめですが、少々設定方法はわかりづらいです。
FairEmail(F-Droid)
同じくメールクライアントですが、個人的にはK-9 Mailの方が好みです。
カレンダー
Android内部には「カレンダーデータ領域」があります。通常のAndroidであれば、Android自体にGoogleログインすることにより、クラウド上にあるGoogle Calendarと同期できます。これにより、パソコンでブラウザを使って書き込んだカレンダーが、自動的にAndroidに同期され、そこで閲覧や編集ができます。
しかし、これはやりたくありません。しかし、Googleを全く使わずに、Androidのカレンダーデータ領域を使うことはできます。このデータと何らかのサーバと同期することにより、Googleとは無関係に同様の仕組みが実現できます。
カレンダーアプリは多くの種類がありますが、アプリによっては、このAndroidのカレンダーデータ領域を全く使わずに、独自のデータとなっているものがあるので注意してください。代表的なものはTimeTreeです。この会社が信頼できるという場合は、最も簡単にカレンダーを同期できる方法です。
aCalendar
Androidのカレンダーデータ領域を使うシンプルなカレンダーです。このアプリ自体には、他のサーバとのデータ同期の機能はありませんが、このアプリにて編集を行い、日・週・月ごとの一覧ができます。
DAVX5
このアプリには、カレンダー機能はありません。Androidのカレンダーデータ領域と、外部のサーバのカレンダーデータを同期するものです。したがって、Androidに、aCalendar等のカレンダーアプリがインストールされていることと、CalDAVをサポートする外部サーバ(あるいは、そのようなサービス)が前提となります。
このアプリにはまた、Android内部のコンタクトリスト領域(電話帳)と、CardDAVをサポートする外部サーバの間で電話帳を同期する機能があります。
コンタクトリスト
カレンダーと全く同様ですが、AndroidにGoogleログインするのであれば、Googleのコンタクトリストを使うのが最も簡単で、パソコンでブラウザを使って編集したコンタクトリストとAndroid上のコンタクトリストを双方向に同期できます。しかしこれはやりたくありません。
連絡先アプリ
GrapheneOSやその他のカスタムROMには、コンタクトリストがデフォルトで用意されています。通常はこれで十分でしょう。
DAVX5
カレンダーの項で述べたように、このアプリ自体には、カレンダー機能もコンタクトリスト機能もありません。単純にAndroid内に用意されているカレンダー領域やコンタクトリスト領域を、CalDAV, CardDAVをサポートする外部サーバと同期するものです。使用するには、そのようなサーバを用意する必要があります。
メッセンジャーアプリ
LINE, Facebook Messenger, Telegram, Signal, Session等のメッセンジャーアプリについては、メッセンジャーアプリをご覧ください。
ユーティリティ
ファイルマネージャー+
この種のアプリはあまたありますが、これが使いやすいかとは思います。File Manager Plusで検索できます。
LibreSpeed(F-Droid)
ネットのスピードテストです。
DiskUsage(F-Droid)
ディスクの使用状況を表示してくれます。おそらくは、写真や動画でディスクが満杯になった時に必要になってくるでしょう。
カメラ
※カメラアプリに関する技術的議論については、GrapheneOSユーザガイド(専門家向け)もご覧ください。
GrapheneOSカメラ
GrapheneOSに付属するカメラです。インストールなどの手間なく、すぐに使用できます。GrapheneOSカメラの使い方を参照してください。
Googleカメラ
これはGoogleによるカメラアプリで、GrapheneOSの提供するカメラなど通常のものより高機能です。
GSFとは、Google Service Frameworkのことで、Google機能を意味しますが、試してみたところ、特にGoogle機能無しでも動作するようです。